どこかで、竜巻が生まれた。
それは、小さくはあったが、強烈な力を伴い…進行方向に根ざすすべてをなぎ払っていった。
その中にあった、雑木林。
自然の驚異は容赦なくそこに襲い掛かり……
地面を、木々をズタズタに切り裂く。
やがて…林の中心部に進んだ竜巻は、そこで動きを止めた。
…否、止まったのだ。
うぉおぉぉぉぉぉぉぉぉ……
竜巻の足元で、地面を揺るがすような唸り声が響く。その声に呼応するかのように、竜巻がどんどん細くなっていく。まるで、力を吸い取られているかのように……
そして、次の瞬間。地面が爆ぜた。
……後に、雑木林近くの民家の住人は、こう証言している。
爆発の瞬間、叫び声が聞こえた、と。
チェ―――――――――――――――――――――――――ストッッッ!!!!
竜巻の騒動から、数日後。
転がっていた新聞を広げた男が、ため息をついた。
「……30年、か」
長いな、と一人つぶやき、男は新聞紙を丸めてくずかごへと投げる。
その勢いは弱く、新聞紙はくずかごのはるか手前で落下するが、地面につく直前、急にふわりと浮き上がり、吸い込まれるようにくずかごの中へと収まった。
その勢いは弱く、新聞紙はくずかごのはるか手前で落下するが、地面につく直前、急にふわりと浮き上がり、吸い込まれるようにくずかごの中へと収まった。
「“眠り”についていた俺が、目覚めたということは……」
と、口を噤む。いつの間にか背後に現れた気配を察し、男は全身を緊張させた。
「貴様…新人類帝国…いや、デスパー軍団か!?」
そう言いながら振り返り、空手のようなファイティングポーズをとる。と、男は気配の主を見て、いぶかしげに眉を上げた。
「…いや違う。ミュータントロボットでも、デスパーサイボーグでもない。…貴様はいったい!!?」
「……グルゥ…」
どことなくトンボを髣髴とさせる容姿の怪人は、低くうなり声を上げたかと思うと、音もなく飛び掛ってきた。
「!」
手にした長剣が、猛烈な勢いで振り下ろされる。
「……剛力・招来!」
男が叫ぶと同時に、振り下ろされた剣が、鈍い音を立てて阻まれた。
「……!?」
怪人が驚愕する。先ほどまで“人間”だった男が、全身を岩石のような姿に代え、クロスさせた両腕で、刃を止めていたのだ。
「……貴様が何者かは知らん。だが、向かってくるというのなら、この<サナギマン>が相手だ!!!」
男…<サナギマン>が、高らかに叫んだ。
-つづく-
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いきなりスタート。
今回は、当方主催のコミュニティ「特撮二次創作倶楽部」のメンバー、幻太髏さんからのアイディアを形にしてみました。
アギトとイナズマン。どちらも石ノ森作品、という共通点がありますが、そのほかにも、両者には「超能力を起源とした変身能力」という共通項があったりするんですよね。
まぁ、変身前でもさまざまな超能力が使える五郎に対して、翔一はこれといって使ってませんでしたけど。
まぁ、変身前でもさまざまな超能力が使える五郎に対して、翔一はこれといって使ってませんでしたけど。
さて、今回敵キャラとして起用したモチーフはトンボ。
これは、イナズマンのモチーフが蝶にあることから、蝶を捕食するもの、として起用しますた。
…まぁ、それを言ったらクモでもカマキリでもいいじゃねえかと言われそうですが。
クモはともかく、カマキリは実際に本編で出たからなぁ…ディケイドにもw
これは、イナズマンのモチーフが蝶にあることから、蝶を捕食するもの、として起用しますた。
…まぁ、それを言ったらクモでもカマキリでもいいじゃねえかと言われそうですが。
クモはともかく、カマキリは実際に本編で出たからなぁ…ディケイドにもw
現時点で、大体何シーンで終わるかとか、まったくもって見当がつきませんw
というか、オチすら見えませんw
完全に手探り状態で始まるこのシリーズ。明日はどっちだ(主に作者の)。
<2009年08月21日07:47 mixi日記初出>