炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ARCHAIC ACTION】シーン3

 トレーニングルームに移動した4人。ど真ん中に立つリュウを中心に、ジャン達はトライアングルを作って取り囲む。
「さァて。マスターに言われたからにゃ、手加減無しでいかせてもらうぜ」
「もちろんです!」
 リュウの言葉に、レツが声を張り上げる。
「いい返事だ。…じゃ、誰からお相手しようか?」
 すっ、と手が上がった。
「はい、じゃあ一番手はキミね。ええと…」
「激獣チーター拳・宇崎ランです!」
 凛とした声が空気を震わせる。
「よし、かかってきな。激獣グラスホッパー拳・跳多リュウがお相手しよう」
 少し腰をかがめて、両手を緩やかに胸の前でかざす。陸上のクラウチングスタートを崩したようなスタイルは、激獣グラスホッパー拳独特の構えだ。
「いきます!」
 ランが一足跳びにリュウの懐へもぐりこむ。と同時に突きの雨がリュウめがけ降り注いだ。
「!」
 両の掌をランの方へ向け、無数に襲い来る拳を軽々と避けていく。
「…へぇ、速い突きだ。狙いも正確…っは!」
 拳の軌道を逸らして出来た隙間を縫い、ランの鼻先をリュウの足刀が掠める
「!?」
 ランは表情を崩すことなく後ろに飛び退いた。
「うん。ちょっとやそっとでも動じない。強いハートの持ち主みたいだな」
「はい! 『日々是精進・心を磨く』。マスター・シャーフーから頂いた、私のキャッチフレーズです」
「なるほど…でも」
 リュウが更に腰を落とし、足にエネルギーを溜める。次の刹那、今度はリュウがランに肉迫し、強烈な蹴りを見舞う。
「っく!」
 かろうじてかわすランだったが、リュウは更に連続して蹴りを放ってくる。
「ゲキワザ・連連脚(レンレンキャク)!!!」
 まるで機関銃のように脚が跳び、ランの体を打ちのめす。
「こ、このっ!」
 負けじとランも打打弾で応戦するが、突きを放った瞬間、リュウの姿がランの眼前から消えた。
「えっ?」
「ラン、後ろだ!」
 ジャンの声に振り返ったラン。しかし、リュウの姿はない。
「こっちだよ、ランちゃん♪」
 真横でリュウの声がする。ランが突きを繰り出すも、それはむなしく空を切る。
「ゲキワザ・回回脚(カイカイキャク)!!!」
 ランの周りをすばやく回り、リュウが全周囲から蹴りを決める。防ぎきれず、ランはそのまま打ち上げられ、床に強かに叩きつけられた。

「きゃあっ!」

「まだまだ、技にキレが足りないぜ?」
 リュウがウインクをして、不敵に笑ってみせる。

「さ、次はどっちがくるかな?」
 くいくい、と指を動かし、呆然とリュウを見る二人を挑発した。


  -つづく-


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 この当時はまだまだリュウの方が一枚上手でしたが…
 今じゃ多分あっさり抜かれてるんだろうな(トオイメ

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 ↑web拍手次第で、巨大戦もあるかもしれません! ブ~ン♪(ぉぃ