炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【スピンオフ】牙狼-闇を照らす者-

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/エピローグ【スピンオフ】

エピローグ:猛/Takeru 「サンキュな。おかげで助かったわ」 「なんのなんの。あたしも楽しかったし、何よりイイモノも見れたしね」 からからと笑う女法師に、猛竜は先の戦闘での一連の出来事について問う。 「そういや結局、アレってなんだったんだ…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン8【スピンオフ】

シーン8:炎/Enzin 現れた闖入者に、ルメーズの腕が振り下ろされる。「危ねぇッ!」と猛竜が女法師を突き飛ばしそれを回避すると、猛流は自分の眼前に突きつけられた一つの鉄塊を目の当たりにした。 否、それは…… 「俺の腕!」 「そ。ようやく直った…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン7【スピンオフ】

シーン7:痛/Imagination 「グルゥ……ォォォ……」 ルメーズが激痛と灼熱に晒され、本性を顕しながら唸り声を上げる。爆裂した魔獣の腹からは多数の魔戒剣が雨あられと降り注ぎ、地面に突き立てられた。 「うあととと! っち……折角の虎の子でもト…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン6【スピンオフ】

シーン6:喰/Collect 「くそッ……やっぱ効きがイマイチだぜ」 義手の魔戒銃は早々に全弾を撃ち切り、しかし全身に魔戒剣の刃を生やしたルメーズはソウルメタル製の鎧をまとっているも同義であり、有効打を与えるには至らない。 「手持ちの義手もあと1コか……

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン5【スピンオフ】

シーン5:斬/Swashbuckler 炎刃騎士ゼン……その鎧を猛竜が纏うと同時に、ホラーがその本性を顕わにする。爽やかな紳士のようなシルエットを維持したまま、全体が醜悪な肉体へと変貌していくのだ。 「ルメーズ、つったっけか……」 指令書に記されていた魔獣の…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン4【スピンオフ】

シーン4:対/Encounter “好事家を気取る魔獣、騎士の命を狩り獲る。欲に塗れた陰我を絶ち、魂を取り戻せ” 指令書には、そう記されていた。 「騎士の“命”ねぇ……?」 最近騎士が命を落としたという話は聞かない。僚友に曰く、騎士が武器を奪われた事案が他所…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン3【スピンオフ】

シーン3:掌/Gimmick 「ぶあっはははははははっ!」 夜の街に、男の笑い声がこだまする。笑われた側……猛竜はというと、珍妙な格好で地面にめり込んでいた。 「……笑ってねーで起こしてくんねえかなオイ」 「悪い、悪い」 笑っている側……猛竜の僚友が、くく…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン2【スピンオフ】

シーン2:女/Alchemist 義肢職人のねぐらは、魔戒法師の里・閑岱のはずれにあった。 掘っ立て小屋のような簡素なつくりの建物からは金属を打つ音が響く。猛竜は辺りを見回すと、ここで間違いなさそうだと察して、小屋に近づいた。 「しっかし、えらく鄙び…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン1【スピンオフ】

シーン1:僚/Mate 数日前のことだ。 愛剣と義手を引っさげ、指令書のままにホラー殲滅の任に向かった猛竜は、思わぬ強敵に苦戦を強いられていた。 もとより、利き腕ではない方で剣を振るうのだ。猛竜が想像するよりも遥かに、彼の戦力は低下していた。…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/プロローグ【スピンオフ】

プロローグ:幻/Pain ――右手を穿つ、痛み。 突き立てられた巨大な針のようなモノが、じわじわと蠢いて俺の肉を掻き回す。 中に入ってくるナニカが……オレヲ……変エ…… ……変えられて、たまるか! 「うあぁぁぁぁぁ……クソッタレェェェッ!!!」 地面に刺し…