炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【二次創作】特撮SS雑書庫

【ウルトラSS】ULTIMATE FORCE TETRALOGY・Episode:JEAN-BOT【ゼロ THE MOVIE】

――叫べナオ、“ジャンファイト”と! 「ジャンファイトッ!!!」 澄んだ声がキーとなり、“私”の……<ジャンバード>の身体を、変える。 全身を、敬愛するエメラナ姫からもたらされたエメラル鉱石のエネルギーが駆け巡り、腕を、拳を、脚を、そして心臓部……私自…

【ウルトラSS】ULTIMATE FORCE TETRALOGY・Episode:MIRROR-KNIGHT【ゼロ THE MOVIE】

首筋に、貫かれ抉られるような激痛。 全身を駆け巡る、熱く赤黒い、何か。 背後から、禍々しい声がする。 “俺の下僕になれ……!” 視界が、全てが、真っ赤に、真っ黒に染まる―― 「……っは!?」 漏れでた息が、ゆがんだ気泡となって上へとのぼっていく。 ああ、…

【ウルトラSS】ULTIMATE FORCE TETRALOGY・Episode:GLENFIRE【ゼロ THE MOVIE】

――バラージの盾は、<鏡の星>にある。二次元の民を探せ! ――俺の名は、グレンファイヤー! ――仲間ってのは、いいもんだな……楽しかったぜッ!!! 「止せっ!?」 ああ……あいつの声が遠くに聞こえるぜ…… 今耳の中に残ってるのは、燃え広がるスペースニトロメ…

【シンケンSS】閑話-池波流ノ介-【後日談】

深まる秋。空はいよいよ透き通り高々と。 身体を動かすのも、芸術を嗜むのにも最適な時節となりし今日この頃。 「うーむ……むむむ」 机を前に、腕組みをして唸る男がひとりいた。 その机の上には原稿用紙……しかしてその中身は未だ白一色。 よし、と意を決して…

【ダブルSS】Sとの邂逅/エピソード・ビギンズ

「……仕事でガイアメモリは使わない主義なんだがな」 それは美学。あるいは矜持。 「……そうも言っていられんか」 だが時にそれは、理不尽にも踏みにじられる。 「坊主……下がってな」 しかし“彼”の心はくすまない。今、男の背中には護るべき街と、命があるから…

【シンケンSS】閑話-谷 千明-【後日談】

春の足音が近づいてきたとはいえど、朝の空気は今だ凛と引き締まっている。 そんな早朝の公園で、風を切る音と、それに合わさって張り詰めた声が響く。 「はっ! はっ!」 はかま姿の青年が3人、揃って竹刀を振るっていた。 「……はぁっ、はぁっ」 「うぇぇ……

【シンケンSS】閑話-薫風-/序幕

「悪ぃな姫さん、俺の買い物につき合わせっちまってよ」 「いや、構わない。……丹波から離れられるなら」 ―――外道衆との戦いが終わり、数日が経った。 パリへと渡航する前に、生活必需品など諸々を買いに来ていた源太が、駅前で所在無く立ち尽くしている薫を…

【ダブルSS】Rとは何か?/フィリップと翔太郎

地球(ほし)の本棚。 フィリップという名の少年が脳内に持つそれは、地球上全ての事柄が記されている、いわば一種のアカシックレコードである。 「……うーん……」 壁も天井もない、かろうじて床という概念が存在するだけの真っ白な空間…地球の本棚で、いくつ…

【ボウケンSS】-名前と距離とぬくもりと-【さくら編】

宇宙という名の大海原を、超弩級航行艦・ゴーゴーボイジャーが往く。 未知なる秘宝・プレシャスを求め、かつて<不滅の牙>と呼ばれた男は、その大きすぎる冒険スピリッツを宇宙へと向けたのだ。 そして、彼の傍らには―――純粋な敬愛を、何時しか恋心へと変え…

【牙狼SS】-盤 戦-<後編>

それから、数分。 両者の腕が手早く駒を動かす中、バルチャス打ちの男が怪訝な表情を見せる。 「……何のつもりだ?」 眼前に広がる盤の上…正確には零に設けられた陣地を睨み付け問いかける。零の手によって敷かれた陣は、攻撃の要たる“騎士”の駒以外をすべて…

【ダブルSS】PROLOGUE-W BOILED EXTREME-

―――風が舞う都(まち)、<風都>。 その中心に聳え立つ風車のタワーの頂に、二人の男が立つ。 吹き抜ける<風>に思いを馳せているのか、瞳を閉じて、頬を撫ぜる風を感じる二人。 ふと、その<風>が止み、刹那、一陣の突風が駆け抜けた。 「…おっと!」 一…

【牙狼SS】-盤 戦-<中編>

【前回のお話はコチラ】 ---------------------------------------------- パァン、と乾いた音が響き、盤面に木製の駒が叩きつけられる。 先攻は零だ。 すかさず、後攻をとった男が白い駒を前進させる。 『ね…

【牙狼SS】-盤 戦-<前編>

「―――さァて、ルールの確認だ」 30代くらいの、無精ひげの男がにやりと笑う。 碁盤に良く似た盤上に、64の升目が区切られ、そこに赤と白の駒が並べられていく。 「ま、つっても基本的なルールは普通のバルチャスと変わらねぇ。ただし―――」 ひょいと駒を…

【掌編・二次創作】新たな旅立ち・AN IMMORTAL FANG【ボウケンジャー】

うらぶれた、場末の酒場。 その片隅に、一人の男がうつろな表情で手の中のグラスを遊ばせていた。 「…………」 口元にグラスを持っていき、中身が無いことに気付くと、テーブルのボトルからウォッカをなみなみと注ぎ、一気にあおった。 「……飲みすぎだよお客さ…

【ボウケンSS】最初のプレシャス【掌編】

しん、と静まり返った夜の山は、神秘さを通り越して、僅かに恐ろしさすら感じる。 そんな山の中腹にて野営する、二人の男女。 ひとりは……トレジャーハンターの青年。 そしてもうひとりは……記憶の無い少女。 轟轟戦隊ボウケンジャー Task:0 PRE EP…

【掌編】鼓動(ドギマギ)シグナル【ゴーオン・二次創作】

「な、なんなんだよ美羽。いきなり俺をこんなトコまで連れてきやがって」 様々な洋服が舞踏会のように並ぶ店内で、走輔が居心地悪そうにきょろきょろと辺りを見回す。 時々連れて行かれる、美羽の行きつけのブティックとはまた別の店だ。 そして店員達の自分…

【掌編小説】マッハにキラキラ【ゴーオンジャー二次創作】

「そー言えばさ、走輔」 「あん?」 それは、いつも通りの朝。 いつもどおりに、タマゴ料理中心の朝食の場で、思い出したように範人が走輔に声をかけた。 「美羽のこと好きなの?」 「ぶーっ!!?」 範人としては何気なしに聞いただけなのだろうが、走輔は…