炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

2014-01-01から1年間の記事一覧

VERSUS SPACE PIRATE/シーン2

「クソッ! あの海賊ども、味な真似ェしやがる……」 宇宙空間に放り出されたバルバン残党たちが、拠点にたどり着く。彼らの要塞艦のサロン……通称・豪傑無双砦に集まった彼らは、宇宙塵に塗れた身体を軽く払い、歯噛みした。 「奴らとて某らと同じ宇宙海賊。し…

VERSUS SPACE PIRATE/シーン1

目的地へと帆を掲げ、順調に進んでいた航海は、突如降って沸いた大量の砲弾によって破られた。 「のわ~っ! いきなり攻撃!? メーデーメーデー! 叫び声が響くよ~っ!!?」 なんか前も似たようなこと言った気がする~!? などと珍妙な叫び声をあげなが…

VERSUS SPACE PIRATE/プロローグ

――宇宙。 無限の広さと輝きを秘めた……神秘の世界。 若者たちは……いや、若者に限った話ではないが……夢や望み、そしてロマンを求めるものは、我先とこの漆黒の大海原へ繰り出してゆく。 <ゴーカイガレオン>と銘打たれたその紅い帆船もまた、そんな冒険者たち…

VERSUS SPACE PIRATE/予告編

――これは、まだゴーカイジャーが“スーパー戦隊”になるはるか前―― 「みつけたぜ、“ギンガマン”の<レンジャーキー>!」 大いなる力を秘め、宇宙最大のお宝の手がかりたる神秘の鍵……レンジャーキーを巡り、キャプテン・マーベラス率いる“宇宙海賊”ゴーカイジ…

スーパー特撮大戦200X:第3.5話/シーン3

「蜘蛛男だと……ショッカーめ、怪人を再生させたのか?」 仮面ライダーの問いに答える事無く、蜘蛛男が再び戦闘員を呼び出す。 「うわっ、また沸いて出てきた!?」 「キリがないですよ、これじゃ!」 アマギとソガがウルトラガンを構えるが、残り弾数も尽き…

スーパー特撮大戦200X:第3.5話/シーン2

夜の街に、物々しい雰囲気が漂う。迷彩服を纏った男たちと、グレーの制服のウルトラ警備隊が合流し、ただでさえ涼しげな空気がさらに張り詰める。 警備班は、キタクラ以下カツベ、ヒラタ、オオムラ、ヤナギヤの計5名で構成されている。ウルトラ警備隊の面々…

スーパー特撮大戦200X:第3.5話/シーン1

日本にありながら、誰もその所在を知らない場所がある。 日本を……否、世界を、地球を守る者たち。地球防衛軍・TDF……その極東支部。 それは、富士山麓地下の秘密基地にあった。 「お呼びですか? 長官!」 「おお、キリヤマ隊長……。こんな時間に突然呼び出…

スーパー特撮大戦200X:第3.5話/アバンタイトル

日本にありながら、誰のその所在を知らない場所がある。 全ての影、全ての闇の奥の奥に住処を構える――秘密結社ショッカーの、その日本支部にて、あらたな大幹部が招聘された。 「服装が乱れているッ!」 空気を切る音のすぐあとに、強烈な破裂音。それが電撃…

シーン6:Sの目は誰に/マツの本棚

<注意!> 本シーンでは、原典「仮面ライダースカル メッセージforダブル」の核心に触れる場面がございます。ネタバレを是としない方には閲覧を推奨いたしません。ご了承ください。 ↓ ↓ ↓ 膨大な数の書架に、それに収まった夥しい数の本、本、本……。 街…

シーン5:幽霊のS見たり/死に装束と髑髏

――深夜。 情報収集のために“本棚”に篭った相棒と別れ、ひとり事務所に戻った荘吉は、マツに立ち入りを禁じた“開かずの扉”を開く。 かつてはビリヤード場のバックヤード兼倉庫だった場所は、巨大なガレージへと姿を変え、その中央には髑髏を模した巨大な装甲…

シーン4:交わされたS/女の絶望

<注意!> 本シーンでは、原典「仮面ライダースカル メッセージforダブル」の核心に触れる場面がございます。ネタバレを是としない方には閲覧を推奨いたしません。ご了承ください。 ↓ ↓ ↓ 「ちょっと……っ!」 強く掴まれる腕の痛みを訴えながら、メリッ…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン5【スピンオフ】

シーン5:斬/Swashbuckler 炎刃騎士ゼン……その鎧を猛竜が纏うと同時に、ホラーがその本性を顕わにする。爽やかな紳士のようなシルエットを維持したまま、全体が醜悪な肉体へと変貌していくのだ。 「ルメーズ、つったっけか……」 指令書に記されていた魔獣の…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン4【スピンオフ】

シーン4:対/Encounter “好事家を気取る魔獣、騎士の命を狩り獲る。欲に塗れた陰我を絶ち、魂を取り戻せ” 指令書には、そう記されていた。 「騎士の“命”ねぇ……?」 最近騎士が命を落としたという話は聞かない。僚友に曰く、騎士が武器を奪われた事案が他所…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン3【スピンオフ】

シーン3:掌/Gimmick 「ぶあっはははははははっ!」 夜の街に、男の笑い声がこだまする。笑われた側……猛竜はというと、珍妙な格好で地面にめり込んでいた。 「……笑ってねーで起こしてくんねえかなオイ」 「悪い、悪い」 笑っている側……猛竜の僚友が、くく…

スーパー特撮大戦200X:第3話/シーン3

「相手になる、チェスト!」 イツツバンバラと戦うイナズマン。強力な火炎放射をかいくぐり、ときに跳ね返し、さながら蝶のように軽やかに鮮やかな戦いを見せ付けた。 「エイジ、俺たちも行くぞ!」 思わず見とれていたエイジにタクマの声が飛ぶ。それに応え…

【牙狼SS】無銘の友誼:シーン4【真鍮騎士篇】

「な……なに、これ?」 敵前であることを忘れているかのような、獅子丸の素っ頓狂な声が転がる。 『どうした!? ぼさっとしてんな!』 そんな相棒に喝を入れると、うなづきながら剣を握り直し、跳んだ。 「うわっ!?」 『む!?』 その跳躍に、俺のみならず…

【牙狼SS】無銘の友誼:シーン3【真鍮騎士篇】

俺……こと魔導具<アルド>が、魔戒騎士・立神獅子丸の“相棒”となってから、一週間が経過した。 未だ任務には当たってないものの、こいつの“人となり”的なものはだんだんわかってきた。 『獅子丸よぉ……なんで一言の言い返しもしねえんだよ……言われたい放題だ…

【牙狼SS】無銘の友誼:シーン2【真鍮騎士篇】

オレが阿門のじーさんトコに厄介になってから、数ヶ月が経った。イカついじーさんとの二人(?)暮らしってのも存外悪くは無いもんだね。 ボロボロだったオレの“身体”も修復が終わった。鏡で見せてもらったが、ずいぶんとイケメンになってて驚いたもんだ。 …

【牙狼SS】無銘の友誼:シーン1【真鍮騎士篇】

<アルド> それがあのじーさん……阿門法師からもらったオレの名前だ。 「なんだお前、旧い魔戒語のことも憶えておらんのか? ……“名も無き者”という意味だ」 『!? っテメー、それ結局<名無し>ってことじゃねえか!!!』 かんらかんらと笑ってやがった。……

【牙狼SS】無銘の友誼:プロローグ【真鍮騎士篇】

―――誰だ…… 誰だ、オレを呼ぶのは……? 沈んでいた“意識”が急速に浮上する。ぼんやりとした光が、やがて鋭くなって……オレは目を醒ます。 「……おう、ようやっと起きたか」 『うおわああああああっ!!?』 とつぜんぶつかった視線に驚き、次は馬鹿でかい自分の…

【牙狼SS】血錆の兇刃:エピローグ【緑青騎士篇】

白み始めた東の空を眺めながら、6人の若者たちが思い思いに疲れた身体を地面や樹木に預けている。 人払いの法術は間もなく解ける。日が昇れば、公園の惨状が人目に晒され、ちょっとした騒動になるだろう。 それまでには突き刺さった緑青剣を引き抜き、ここ…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン16【緑青騎士篇】

――真なる烈火炎装 魔戒法師の祖、<炎人>の末裔とも言われる、紅蓮騎士の系譜に伝わる最大奥義である。 鎧に魔導火を纏わせる通常の烈火炎装とは大きく異なり、ソウルメタルを文字通り燃やし、炎の鎧を以って戦う。 今世において、この技を扱えるのは、当代…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン15【緑青騎士篇】

「さあて、そんじゃま行きましょうか!」 優雅に舞う揚刃が、ソウルメタルで造ったメダルを取り出す。魔導火をともし、ぱっと投げ上げ、気合を放つ。念を送り込まれたメダルは、炎の飛礫となって一斉に咎牙に降り注ぐ。 「まだまだいくわよっ」 次々にメダル…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン14【緑青騎士篇】

咎牙と同じく、錆びた銅の色を持った甲蟲の鎧が、少しずつ黒ずんでいく。心なしか、少しずつ大きくなっているようにも思えた。 『ソウルメタルが、デスメタルへと変貌している……』 「デスメタルって、確か闇に堕ちた魔戒騎士の鎧の……?」 相棒の呟きに反応し…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン13【緑青騎士篇】

既に幾合の攻防が繰り広げられたのか。11を最後に、誰もが数えることを放棄していた。 90秒前後を、狼を象った鎧が数体組み合い、切り結び、叩きつけ、かわす。 制限時間ギリギリで鎧を脱ぎ、紅牙たちは身体を休めていた仲間と交代し、肩で大きく息をし…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン12【緑青騎士篇】

「あれが……緑青騎士・咎牙」 「鎧を纏っただけで心が折れそうになる気魄を放ちやがるぜ……ったく、とんでもねえ」 びりびりと皮膚に受ける殺気を感じ、斬と紅牙がごくり、と固唾を呑んだ。 「――来る!」 誰かの声が聞こえた刹那、錆びた鎧が飛び掛り、大きな…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン11【緑青騎士篇】

「律さん……」 突然の闖入者に、驚きとともに一瞬の安堵が、あかねの緊張の糸を切る。力の抜けたその肩を、瑠璃色の袖がそっと抱いた。 「大丈夫、あかねちゃん?」 「光さんも……どうして……」 問いかけに、「そりゃこっちのセリフだわよ……」と光が返しながら…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン10【緑青騎士篇】

人の気配のない……事前に人払いの方術でも仕掛けていたのか……公園に、金属音と打撃音がこだまする。 既に打ち合いは両手の指を使い切ってなお足りないほどの数に及び、周囲の地面や植木には、弾かれ受け流された衝撃の余波による傷跡がいたるところに刻み込ま…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン9【緑青騎士篇】

ふわり、と不意に譲一郎の黒衣が風圧に揺らぐ。 「……!」 咄嗟に、あかねが前傾姿勢になる。“無形の位”……構えなき構えをを得手とする彼女ではあったが、噴き上がる殺気が彼女に僅かながら恐れを抱かせ、それが身体を動かしてしまったのだ。 刹那、佇む譲一郎…

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン8【緑青騎士篇】

日没から、数時間が経過した。 間もなく大気に漂う陰我の密度は最高潮に達するだろう。 そんな闇夜の中を、魔戒騎士の正装たるコートが、三つ翻る。 「今のところ、妙な気配はないみたいね」 「……だな」 先んじた女性のような男の声に、静かに別の男の声が答…