炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

2014-01-01から1年間の記事一覧

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン7【緑青騎士篇】

騎士たちが南の管轄に集結し、一夜が明けた。 紅牙の提案に乗り、ローラー作戦を以って咎牙を追跡することにした彼らは、早速ペアを組み、管轄の南と北から作戦を開始した。 「そっちはどうだった?」 「特に異常は無かったな。周囲に気を配っても見たが、付…

スーパー特撮大戦200X:第3話/シーン2

「……で、だ」 スナック・アミーゴ。 閉店後も煌々と明かりのつく店内は、ヒーローたちの待機場所だ。 「その渡五郎という青年と、新人類のイツツなんとかってのが戦ったってことだな?」 タクマの問いに、サキが首肯する。 「それで……お前は戦いもせずに逃げ…

スーパー特撮大戦200X:第3話/シーン1

エイジとラン。そしてタクマとサキがアミーゴに居候を始めて数週間。 戦いの傍らでアミーゴの手伝いを始めるランとサキは、常連客のアイドルになりつつあった。 一方、彼らの戦いに新たな勢力が介入を始めた。その名は<新人類帝国>。 帝王バンバを名乗る謎…

スーパー特撮大戦200X:第3話/アバンタイトル

アミーゴで待っていた本郷と立花は、エイジたちが連れてきた男女……タクマとサキに出会う。事情を知った本郷たちは、快く二人を迎え入れ、ここに二組目の居候が誕生することと相成った。 「いやぁ、しかしすごいもんだなぁ……こんな小さな店の旧式のパソコンで…

シーン3:Sとの対峙/ガイアメモリとドーパント

シーン3:Sとの対峙/ガイアメモリとドーパント 無人となったホールのステージでは、荘吉と蜘蛛男の格闘戦が繰り広げられていた。大降りに繰り出される蜘蛛男からの攻撃を、荘吉は難なく躱してハイキックを見舞う。しかし蜘蛛男もその蹴りを意も介さず受け…

【オリジナル】Friendry_Kiss【キスの日】

――女の子にとって、キスとは神聖なものなのだ。 という言葉をどこで見たのか、あるいは聞いたのか。 一昨年嫁に行った姉さんの持ってた少女マンガだったか、昔日曜の朝にやってたアニメだったかもしれない。 まぁともかく。そういうものであると、僕は思って…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン2【スピンオフ】

果たしてアリシア連邦の空港に降り立つ流星の姿があった。 空気の匂いも、肌をなでる少し冷たい風も、生まれ育った日本とも、ようやく慣れてきたフランスのそれとも違う。異国に来たことを改めて実感する流星である。 「さて……インターポールからの助っ人が…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン1【スピンオフ】

――これが、これまでの「仮面ライダーメテオ」―― 仮面ライダーメテオ=<朔田流星>は、かつて<反ゾディアーツ同盟>とよばれる組織に属していたエージェントであった。 その正体は誰にも知られてはならず、そして流星自身の目的もあり、同じくゾディアーツ…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/プロローグ【スピンオフ】

閑静な住宅街に、黒山の人だかりが出現する。 しかし、行きかうものたちは誰も彼も、ヒトの姿を成してはいない。 「ダスタードに……ゾディアーツまで。よくもコレだけの数が集まったものだ」 一人だけ、同じく黒衣ながら佇まいを意にする者が群れを一瞥し、呟…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン2【スピンオフ】

シーン2:女/Alchemist 義肢職人のねぐらは、魔戒法師の里・閑岱のはずれにあった。 掘っ立て小屋のような簡素なつくりの建物からは金属を打つ音が響く。猛竜は辺りを見回すと、ここで間違いなさそうだと察して、小屋に近づいた。 「しっかし、えらく鄙び…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/シーン1【スピンオフ】

シーン1:僚/Mate 数日前のことだ。 愛剣と義手を引っさげ、指令書のままにホラー殲滅の任に向かった猛竜は、思わぬ強敵に苦戦を強いられていた。 もとより、利き腕ではない方で剣を振るうのだ。猛竜が想像するよりも遥かに、彼の戦力は低下していた。…

【闇照】ZEN~炎刃の鋼腕~/プロローグ【スピンオフ】

プロローグ:幻/Pain ――右手を穿つ、痛み。 突き立てられた巨大な針のようなモノが、じわじわと蠢いて俺の肉を掻き回す。 中に入ってくるナニカが……オレヲ……変エ…… ……変えられて、たまるか! 「うあぁぁぁぁぁ……クソッタレェェェッ!!!」 地面に刺し…

シーン2:誰がために捧ぐS/風都の歌姫

シーン2:誰がために捧ぐS/風都の歌姫 白いスーツに袖を通し、愛用の白い帽子を手にする。いつものスタイルを決め、荘吉はマツとともに車に乗り込み、現場を目指す。 メリッサの待つ<シティホール108番館>は、風都の中心部からすこしだけ離れた場所…

シーン1:噂のS/荘吉とマツ

シーン1:噂のS/荘吉とマツ 見渡す限りに風車が溢れ、常にどこかでそれらが回る街――風都。 その街を流れ往く風の一端に、どこからともなく珈琲の香りが混ざる。風の来た道をたどれば、その先には古びたビリヤード場。 その2階の窓がわずかに開き、珈琲豆…

スーパー特撮大戦200X:第2話/シーン2

ギィ……と、金属同士が擦れ軋み、ハッチが重力に流されるまま開き落ちる。 地面にめり込んだハッチを乗り越え、二人の男女が外に出た。 「……どうやら、無事地球に降下したらしいな?」 長髪の男がふと空を仰ぎ見る。そろそろ深夜にさしかかろうかという夜空に…

スーパー特撮大戦200X:第2話/シーン1

――都内某所。 <Amigo>と名づけられたスナックの前に立った本郷は、一息に扉を開けたい衝動をぐっと抑えてゆっくりとカウベルを鳴らした。 未だ力をコントロールできない身では、ドアはおろか、蝶番ごと壁までひっぺがしてしまいそうだったからだ。 「…

スーパー特撮大戦200X:第2話/アバンタイトル

地球を狙う、数々の侵略者を抱える銀河系宇宙……その治安と平和維持を目的とした組織がある。 <銀河連邦警察>……バード星が中心となって結成させたこの組織は、超兵器を操る各星系に、担当任務官を派遣させていた。 その担当任務官……通称<宇宙刑事>と呼ば…

スーパー特撮大戦200X:第1話/シーン2

「……一足遅れのようですね?」 女の声が、噴煙の中で聞こえる。 彼女は……いや、彼女を含めた“3人”は、秘密基地然とした地下施設の中にいた。 それは、後に世界中に認知される<ショッカー>なる秘密結社の基地であるのだが、彼女たちにとって、それは必要な…

スーパー特撮大戦200X:第1話/シーン1

「『大学生モトクロスレーサー、失踪から一週間』……かぁ」 携帯電話の画面、表示されたニュース記事を眺めながら、少女が呟く。 「こらラン。ケータイいじってる場合かよ……」 その後ろを付いていく少年が、渋面を声色に乗せる。「で、この辺でいいのか?」と…

オーバーチュア:Sとの邂逅/男の決断

オーバーチュア:Sとの邂逅/男の決断 ――“男”は、哭いていた。 愛する人がいるのに、守りたい人がいるのに…… 届かない自分の手に。力なき自分自身に。 絶望の慟哭を、声もなく。 嗚呼。 “強さ”があれば。あの享楽と欲望と本能の坩堝から、彼女を連れ出すこ…

スーパー特撮大戦200X/プロローグ

――太陽系の最果てで1隻の艦(フネ)が消息を絶った。 <NO-0117-A/宇宙要塞艦NAAGER>と名づけられたその艦は、冥王星のさらに先に突如として出現した、太陽系の10番目の惑星を探査するべく、地球から送り込まれた最新鋭艦である。 10…

【オリジナル】BULLETS-バレッツ-(後編)【HEROES ASSEMBLE!】

“変”わった二人を目の当たりにし、荒れ狂う連中が一瞬静かになる。その黒い二つの人影から発せられる圧力に、幾人かはじり、と後退りした。 「……って、なにが“おしおきタイム”だよ。ここは“ヒーロータイム”が正解だぜ?」 「阿呆かお前は。悪ガキどもを相手…

【ウィザード】NOVELS大戦ファンタジア/シーン1【マジレン】

果たして晴人……魔法使い<ウィザード>となった……が現場に到着すると、そこは死屍累々を具現化した場であった。 「な……なんだこれは!?」 倒れ伏した人影……しかしそのどれも奇怪なシルエットで、一目で“人間ではない”とわかる。 「ファントムの……死体?」 …

【なのは】NOVELS大戦VIVIDNESS/プロローグ:2【ウィザード】

――時は少しさかのぼる。 アンティークショップ<面影堂>に、いつもの仲間たちが集い、談笑に興じていた。 「おーい、新しいの出来たぞ~」 奥の工房からのんびりとした声が転がり、面影堂の店主にして指輪職人の輪島が姿を現した。 「お、どれどれ……」 輪島…

【フォーゼ】NOVELS大戦 OVERDRIVE/シーン1【ゴーバスターズ】

空は青く青く。そして高く。 入道雲はとうに去り、吹き抜ける風も、幾分涼しくなってきた。 季節は秋。 ここ、<天ノ川学園高校>の空も、それは変わらず。 「う~……」 その片隅……部室棟のさらにその一角で、リーゼントに短ラン姿の少年が、机に突っ伏してい…

【フォーゼ】NOVELS大戦 OVERDRIVE/プロローグ【ゴーバスターズ】

――“それ”は、緩やかな“死”を迎えようとしていた。 「……エネトロン残量も……あと僅か……ですか」 つぶやいた言葉は、流れる水の中で気泡と化すのみである。 「突然マジェスティからのリンクが途絶えてから数か月……所詮私も<アバター>。不要となれば切り捨てら…

【ウィザード】NOVELS大戦ファンタジア/プロローグ【マジレンジャー】

「ハルくーん、これこれっ」 太くいやになまめかしい声が、ハルくんと呼ばれた青年の耳朶をなぞる。ワゴン車を改造した移動型店舗のカウンターで、いわゆる“オネエ”風の店長が緑色のドーナツを差し出した。 「新作の“秋のモリモリサラダドーナツ”!」 これ以…

【なのは】NOVELS大戦VIVIDNESS/プロローグ:1【ウィザード】

「魔導師の連続不審死?」 穏やかではないその一報を<八神はやて>が耳にしたのは、穏やかな午後にささやかなティーブレイクをとっている最中のことであった。 『ええ。何者かと交戦をした形跡があったから、違法魔導師による襲撃と思われていたんだけど………

【エッセイ】物書語-モノカキガタリ- 其の弐:HEROES ASSEMBLE!

Yahoo!ブログの方への当該記事投稿については、エッセイという体にしてみました。 いまさらコレだけのために書庫増やすのもあれですしおすし、日記内に放り込んでおりやす。 さて、そんなどーでもいいことはさておきまして。今回のモノカキガタリのお題。 前…

【オリジナル】こたつむり しんどろーむ【ぼくわた】

強烈な移動性高気圧が、日本列島を多いつくす。 3月末までしぶとく侵攻を続けていたシベリア発の冬将軍もさすがに撤退をはじめ、4月の声が聞こえた途端に、暖かな日々が続いてきた。 となると、僕の部屋から今シーズンの仕事納めを迎える“アレ”があるんだ…