炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

2009-01-01から1年間の記事一覧

【牙狼SS】血錆の兇刃:シーン4【緑青騎士篇】

「…む?」 午後になり、再び緑青騎士の捜索へと出かける紅牙とあかねを送り出した後、自らも出かけようとした斬は、“紅葉の家”の前にたたずむ人影を見かけた。 白いコートを羽織り、漂わせる特異な雰囲気から、それが同業者…魔戒騎士であることは容易に想像…

【桜藤祭SS】ぐっどないと☆こーる【かがみ】

自分の席に着いたとたん、あくびがこぼれた。 「ん、寝不足か柊?」 同じ講義を取っていたらしいが声をかけてきた。 「ん、まーね」 「夜更かしは美容の大敵だぜ~? ま、その点あたしはちゃーんと寝てるけどなっ」 …あんたの場合、課題もせずに寝てるんだろ…

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン9

「……なるほど、そういうことだったのか」 深く息を吐いて、カイトが唸った。 「その超獣…というより、超獣を操っている“黒幕”が、どうしてボクをこの<世界>に引きずり込んだのかは分かりません。僕のいた世界を破壊ないし征服するのであれば、それこそ異空…

【牙狼SS】血錆の兇刃:閑話~透~【緑青騎士篇】

「サバックの出場を蹴っただけのことはあったな」 『アンタくらいなものよ? 名声より目の前の報奨金だーなんて言ってサバックへの参加を断るなんて』 ぶーたれる相棒の言葉を涼やかにスルーし、白いコートに足音を反響させていく。 <南の管轄>へと繋がる…

Chapter:2/Scene:1

「世界の裏側…?」 「ああ~ブラジルですね?」 「…お姉ちゃん、流石にそれはないと思う…」 え~でもでも、日本の裏側ってブラジルよね~? などと末の妹に尋ねる朝子をスルーして、紙とペンを持ってきた通之介が、大きく円を描いた。 「俺が言った“裏側”っ…

仮面ライダーBLOOD:第2幕/第5場

「なっ……!」 蟷螂女の声色が、焦燥のそれに変わる。彼女の眼前で、エイジの姿が“ジェノサイドロイド”の新の姿を現したのだ。 「うおおおっ!!!」 力任せに腕を振るうと、ワイヤーが千切れ、戒めが解ける。蟷螂女は使い物に鳴らなくなった鎌を投げ捨て、も…

【牙狼SS】血錆の兇刃:閑話~光~【緑青騎士篇】

「…ふぅむ」 浮かび上がった魔道文字を見やり、御堂 光が腕組みをして唸る。 「腰を落ち着ける暇も無いわねぇ…まぁ、どこもかしこも人手不足っちゃしょーがないけども」 さて、と呟いて、魔戒筆を一振りする。頼まれていた武器の修繕の、最後のひと仕上げを…

【日記】いかんいかん…

数日こっちの更新をサボっていましたorz いや、mixi日記にはちゃんと小説UPってたので一日一本はちゃんと書いてます。後ほどUPします。 さて、11月も中旬に突入。メモ4発売まで秒読みだぜ…(そっちか 近況→サモンナイトエクステーゼが安かったので買…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン3

冴島鋼牙が、シンケンジャーと名乗る侍たちにであって、数日が経った。 あれ以来、彼らと出会うことも、ホラーを追うことも無く、それなりに静かな日々が続いていた。 だが、それが今夜突然破られた。 「……なんだこの数は…?」 指令所に従い到着した場所には…

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン8

「バーミッション・トゥ・シフト……マニューバッ!」 ガンウィンガーのメインパイロット、アイハラ・リュウが、雄叫びとともにレバーを引く。1分間の制約の元、オーバーテクノロジーを流用した超絶科学・メテオールの恩恵が機体にもたらされ、金色に輝くマニ…

EP:01/シーン15

「お疲れ様ですっ!」 帰還したサクラコたちを、オペレーター席から立ち上がって出迎えるチアキ。 「ただいま、チアキちゃん」 そんな彼女に笑顔で応えるサクラコ。ふと、メインモニターに目をやると、つい先ほど目の前で見た、巨人の活躍がリプレイされてい…

【オリジナル】曖昧・Me・メイド?:第1話/プロローグ

大きな窓越しに、ゆるゆると柔らかな陽光が降り注ぐ。 「……ふぅ」 むやみに広いとある洋館のとある一室で、穏やかに午後のティータイムを嗜む一人の少女。 「…おかわり、要りますか?」 「ええ、お願い」 傍らに控えるメイドが、ティーポットからいい香りの…

【ダブルSS】Rとは何か?/フィリップと翔太郎

地球(ほし)の本棚。 フィリップという名の少年が脳内に持つそれは、地球上全ての事柄が記されている、いわば一種のアカシックレコードである。 「……うーん……」 壁も天井もない、かろうじて床という概念が存在するだけの真っ白な空間…地球の本棚で、いくつ…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン2

―――あの世。 我々が住まう“この世”とはまったく異なる世界であり、本来は死を通じてしか往くことはできない。 また、“隙間”は、あの世に通ずる門とされ、事実“外道衆”と呼ばれるアヤカシは隙間を通り、この世に向けて侵攻してくるのだ。 そんな、あの世の大…

Chapter:2/プロローグ

『本日朝7時ごろ、突然剣菱市内に現れた巨大な骸骨のような生物と、その直後に巨大な甲冑のようなものが出現し、市立高校のグラウンドで暴れるという事件が起こりました。その後甲冑が骸骨を倒すと、甲冑は煙のように消えたとされ―――』 一日中、ほとんど同…

【オリジナル掌編】ぷろくし・うぉーず!

―――その“噂”は、風のように戦場を駆け抜けた。 「なぁおい、聞いたかよ。今回の“戦争”のそもそもの原因」 「ああ、聞いたぜ。なんでも―――」 後から思い直せば、なぜこんな取るに足らない“噂”に踊らされたのか。 戦争にかかわった全ての人間が首をかしげたも…

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン7

怪獣の消失から数時間。 DASHは総力を以ってその行方を追っていたが、その手がかりすらつかめぬまま、時間だけがいたずらに過ぎていった…… 「…ミライ、くん?」 一方、カイトは、ベース・タイタンの廊下を掃除しているミライに声をかけていた。 * 「そ…

そのよん/しーん3

「ふぅん、なかなかいいふいんきじゃね?」 「なぜか変換できない…」 「……なにやってんのあんたら」 遊園地のマスコットキャラの着ぐるみの陰から二人の様子を伺う辰平と淳に、ジト目を向ける縁。 「わあっ、ありがとうございます~」 「ってこっちはこっち…

EP:01/シーン14

「ああっ、巨人がまた…」 心配そうな面持ちで見守る三つ子の姉妹隊員と、力になれないことに歯噛みするカスミ。 「…私達もいくわよ」 と、その中でサクラコが小さく口を開いた。 「え?」 「攻撃の要にはなれなくても、援護くらいはできるはず。たとえ相手が…

仮面ライダーBLOOD:第2幕/第4場

「っは!」 「んっ!」 手鎌の連撃をスウェーで交しつつ、つかず離れず、蟷螂女と間合いを取る。 (……まずい、な) 先日の一件で、自身の体が機械改造されているということを自覚したとはいえ、自分の意思で“人間以上の力”を引き出すのは、この姿のままでは…

【マジンガーSS】衝撃! マジンガーZ 対 マジンカイザー -金色の拳と鉄(くろがね)の皇帝-/シーン1

「マジンカイザー?」 オジィちゃんの呟いたその<名>に、甲児はひどく既視感(デジャ・ヴュ)を憶えた。 改めて眼前の巨大ロボ…<マジンカイザー>に視線を戻す。強烈なまでの覇気をたたえた鉄(くろがね)の巨体は、自身の乗るマジンガーZを一回りほど大…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン1

「……すごい」 茉子が驚嘆に呟く。アヤカシを一刀の元に斬り伏せたその技量も去ることながら、漂わせる雰囲気も只者ではないことを物語っていた。 と、不意に金色の鎧が解け、宙に消える。その下から現れたのは、白いコートを纏った青年であった。 「……」 青…

【牙狼SS】血錆の兇刃:閑話~律~【金鋼騎士篇】

「…よし」 紺色のコートに袖を通す。数日振りに羽織るそれは少し重く感じ…それが使命の重たささ、などと律は気障りに心の中で呟いてみた。 「おや、体はもういいんですかい? 若旦那」 実家の造り酒屋で杜氏を任されている次郎之介が声をかける。 「ああ。ど…

第2話/シーン3

コウイチからの一報を受け、すぐさまオーシャン・ステーションから3機のファイターが飛び立つ。 「やれやれ…続けざまに怪獣出現たァな。こちとらまだ十分な武装はねえってのによ…」 「仕方あるまい。もともとF.O.R.C.E.は戦闘に特化したチームじ…

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン6

「ウワッ!」 猛烈な光度に、思わず目をそらすDASHの面々。そんな中、カイトだけが、その輝きと、その中心をじっと見据えていた。 光の本流は、波打つ輪を描き、さしずめそれは、数学記号の“∞”にも似て、そして… 「メビウスの…輪…」 カイトの呟いたそれ…

【らき☆すた掌編】おーたむ☆ぶらいど【桜藤祭/つかさ】

高い高い、青い秋晴れの空。 暑くも寒くも無い、穏やかな気候である今このときは、読書や運動に最も適した季節とされ、○○の秋、などとよく称される。 そんなひとつに、結婚があるそうだ。 なんでも、6月のジューンブライドにつぐ需要があるとか無いとか。 …

【マジンガーSS】衝撃! マジンガーZ 対 マジンカイザー -金色の拳と鉄(くろがね)の皇帝-/プロローグ

「……な、なんだあれは!?」 ―――兜甲児は、驚愕し、絶句した。 つい先ほどまで眼下に広がっていた熱海の町並みは消えうせ、荒れ果てた大地と化している。 暗雲立ち込め、雷鳴轟く空。世界そのものが、戦場とでもなったかのような、そんな空気が立ち込めてい…

Chapter:1/Scene:7

空を飛ぶシュ・ヴェルト。 その巨体がグラウンド上空にさしかかるころ、その腕を振るい、抱えていたボーンゴーレムを投げ落とす。 「……よし、この広さなら」 降り立ったグラウンドは、高校のものとしては広すぎるほどであった。まひる曰く、運動部に力を入れ…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/プロローグ

月すらも隠れた闇夜。 人気の無い廃工場の只中で、走る影が―――七つ。 追われるものが一つ、追うものが六つである。 「―――はっ!」 追う六つの影のうち、先頭を走っていた者が、おもむろに空に筆を走らせた。 その筆の軌跡は、ひとつの<文字>を生むにいたる…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン2

「はぁっ!」 両足で地面を蹴り、イナズマンが跳ぶ。 「いくぞ、チェスト!」 サナギマンのときとは異なる軽やかな動きで、怪人を翻弄し、突きを、蹴りを見舞う。 と、最後に繰り出した手刀が、怪人の双剣に阻まれ、そのまま返す刃がイナズマンを狙った。 「…